【タクシー基礎】C1都心環状線を理解しよう【首都高速ネットワークを把握する】
東京都心でタクシーを運行するうえで避けては通れないのが、首都高速道路の利用です。C1都心環状線を中心に枝線が各方面に延びていて、ほとんどの道路が東名高速や中央自動車道といった高速自動車国道につながっています。そのネットワークは複雑な一方で、覚えていくと「めちゃくちゃ便利だ!」とも思えるようになります。郊外への実車完了後、どの営業エリアに戻るかといった自分の営業における選択にも役立ちますし、うまく利用して急ぎのお客様をお送りできたときの嬉しさは大きいものです。
今回はその首都高速の基本、「都心環状線(C1)」の説明です。
走行動画はこちら
C1の内回りの実際の走行動画です。
安全に走行するために
首都高速のなかでも、とくにC1は危険箇所が多い路線です。出入口の説明の前に、自戒もこめていくつかその特徴を挙げてみます。
右車線を使った合流、分岐が多い

首都高速(というかほかの都市高速もですが)の特徴として、右車線への合流であったり右車線への分岐、流出するポイントがたくさんあることが挙げられます。首都高速全線で追越車線という概念はないことになっているものの、実際は右車線のほうが速く流れていることがほとんどです。例えば霞が関ICの入口などは、右車線から合流する、そしてカーブの途中のため確認がしにくいことから、合流はどちらの方向も大変です。断続渋滞しているラッシュ時ならむしろ合流しやすいですが、本線がしっかり流れているときはアクセルをしっかり踏み込んでください。意思表示をしっかりすれば、本線上のドライバーも譲ってくれます。
アップダウン、カーブが激しい
走行していてすぐ感じることかと思いますが、アップダウンとカーブがたくさんあり、スピードのコントロールが難しいです。圧迫感のあるトンネルや橋脚によって進行方向が確認しにくく、下り坂で加速したと思ったらその先は断続渋滞…なんてこともあります。車間を多めにとり、「この先は車が詰まってるかもな?」という意識を常に持っておくべきだと思います。

車線変更禁止区間が多い
車線変更のできない黄色線がひかれている箇所が多くあります。IC、JCTが絶え間なく設置されているためその前後の箇所、また銀座や新富町付近の、橋脚があることによる危険箇所では車線変更が禁止されています。走行していると「次は銀座 左出口」というような緑看板の表示が見えますから、早めに分岐、流出する車線へ移動しておいてください。

C1の全体図をみてみる

まずはC1の全体図を見てみます。全長14.8kmの道路にこれだけのICが並んでいます。
以下は一覧です(霞が関から外回り)。
- 霞が関IC(両方向の出入口あり)
- 代官町IC(内回り入口、外回り出口)
- 北の丸IC(内回りの出口のみ)
- 神田橋IC(両方向の出入口あり)
- 宝町IC(内回り入口、外回り出口)
- 京橋IC(外回り入口、内回り出口)
- 新富町IC(両方向の出口のみ)
- 銀座IC(両方向の出入口あり)
- 汐留IC(外回り入口、内回り出口)
- 芝公園IC(両方向の出入口あり)
- 飯倉IC(内回り入口、外回り出口)
そして重要なのは、ICによってそれぞれ入口、出口をどの方向に持っているのかが変わることです。C1は外回り、内回りの両方向に進行することができます(例えば、関西の阪神高速の環状線は一方通行です)。外回りが時計回り、内回りが反時計回りです。ICによっては両方向の出入口を備えていることもあれば、片方向の出入口だけ、両周りの出口だけというICもあります。羽田空港に行きたいのに芝公園ICの外回り入口に入ってしまった…なんてこともありうるわけです。ちなみに上のリストを書いている途中、「あ、ここ外回りじゃなくて内回りか…」って何度か書き直しました。笑
C1の覚え方
この11コのICの覚え方ですが、「両方向の出入口を備えているフルIC(「霞が関」や「神田橋」)」→「片方向の出入口を備えているハーフIC(「飯倉」や「宝町」)」→「それ以外」の順に覚えていくとよいと思います。私も研修のときそのように覚えました。もちろんご自身の営業エリアにもよりますが、フルICの使い勝手は大変よく利用することが多いです。使う頻度の高いところからどんどん覚えていくべきでしょう。
そしてジャンクション(JCT)についてですが、こちらは名称を覚えなくてよいので、近くのICを覚えるときに地図で見ながらセットで覚えておくとよいと思います。例えば「霞が関ICの内回り入口から入ると谷町JCTを通るので3号渋谷線に向かうことができるが、飯倉ICから入ると3号渋谷線に向かうことはできない」と文字にすると複雑ですが、地図のイメージが頭に入っていればすぐ思い出せるかと思います。
ちなみに私は、過去に恵比寿→木場というルートの実車のときにナビを使用して、「天現寺から入って…えっと江戸橋ジャンクションを通って木場で降りるルートでいいですか」という確認のしかたをしたところ、「江戸橋ジャンクション???…なにそれ?運転手さん大丈夫?」とお客様に言われたことがあります。ジャンクションの名前なんてお客様は覚えていないので、コミュニケーションに使っても面倒なことになるだけです。笑 ただ箱崎ジャンクションのように有名な場所は確認に使ってもいいかなとは思っています。
フルIC(両方向の出入口があるところ)
C1で外回り、内回りの入口と出口をそれぞれ備え付けたICは
です。ただ普通の高速道路のICは幹線道路の両方向から進入が可能で、ランプウェイ(料金所を過ぎてから)に入ってから方面を選択できることが多いのに対し、これらのICはそれぞれの入口は片方向にしか対応していません。また芝公園ICのように、同じ名前を冠しているものの、それぞれの入口はやや離れたところにあったりします。それを踏まえたうえで、各項目をご覧いただければと思います。
霞が関IC

まずは「霞が関IC」です。六本木通り沿いに入口、出口とも設置されています。銀座、新橋、赤坂といった主要な繁華街、また日中も丸の内や虎ノ門といったビジネスエリアを発着する実車のときに利用機会の多いICです。なんといってもすぐそばに3号渋谷線と4号新宿線へ向かうジャンクションがあるので、そちらの方面へ行くことが大変多いです。
イラストをご覧いただくとわかる通り(もっとうまく描けって話ですが)、両方向の入口をはさむ「財務省上」交差点は基本的にどの方向も右折禁止です。例えば「銀座から国会通り通って、霞が関から乗って中央道へ~」といった実車のとき、どういう入り方があるのか確認しておくと安心です。
霞が関ICから4号新宿線および中央道方面へ向かう際の車線変更は、右から合流し、さらに分岐するまでの間隔が短く大変です。それを知っておくだけでも、安全の意識が変わると思います。
下のリンクの記事で、詳しく紹介しています。
神田橋IC

次に神田橋ICです。日比谷通り周辺に入口、出口がありますが、外回りの出口は首都高速沿いの道に流出するため一方通行を進むので注意してください。C1で霞が関方向から大手町などを目指す場合、代官町ICで降りるという方法もあります。入口に関してですが、基本的に右折では進入できません。外回りの入口は8~20時でなければできますが、内回りは道路の構造上不可能です。夜間なら「大手町1」でUターンして向かえますが、日中なら一ツ橋ICや代官町ICの利用も視野に入ります。
下のリンクで詳しく紹介しています。
銀座IC

3つ目は、銀座ICです。晴海通りに対して垂直の形で出入口が設置されています。入口に向かう場合、晴海通りから直接の右折が日中はできません。1本となりの道から進むといった工夫が必要になります。銀座エリアからの実車を考えた場合は、8丁目のあたりにより近い汐留ICやkk線の土橋ICの方が利用する機会は多いと思います。東銀座や築地を出発地として首都高速に乗りたい場合に使うことがあるICかもしれません。
下のリンクで詳しく紹介しています。
芝公園IC

フルICの最後は、芝公園ICです。特に入口ですが、それぞれの進入口はけっこう離れていることに注意してください。外回り入口は「赤羽橋」交差点すぐ近くに位置していますが、内回り入口は日比谷通り沿いにあります。そして、基本的に右折できるのは夜間(20時~8時)のみです。内回り出口のみ信号があり、常時 左右折することができます。もし日中に右折で入るような方向の場合は、周辺の道路でUターンなどを活用して向かうようにしてください。
下のリンクで詳しく紹介しています。
ハーフIC(片方向の入口、出口があるところ)
片方向の入口、出口があるようなハーフICは、
の5つです。
代官町IC

代官町ICは、代官町通り…という正式な言い方はあまりせず、「千鳥ヶ淵を抜ける通り」と言ったりしますが、その道沿いにあります。神田橋ICがクセのある構造のため、大手町周辺を発着する実車でも私はよく使います。入口は霞が関や芝公園方面の内回り、出口は逆に霞が関などから来る外回りのみ設置されています。
下のリンクでも説明しています。
宝町IC

宝町ICは、八重洲通り沿いにあります。東京駅の八重洲口にほど近いICです。入口に関してですが、日中は八重洲通りから右折禁止です。Uターンの活用や、八重洲通りを避けたルートを選択するようにしてください。2021年5月にC1の呉服橋IC・江戸橋ICが廃止されたことにより高速バスの利用が増えたようです。
下のリンクでも詳しく説明しています。
京橋IC

京橋ICは、鍛治橋通りと並行した1本南側の通り沿いに入口が設置されています。出口はすぐに鍛治橋通りと接続しています。入口は芝公園や1号羽田線方面の外回り、出口はその逆に芝公園の方向から来る内回りです。1号羽田線やレインボーブリッジにも向かうことができるインターチェンジとして、周辺から羽田空港へお送りするときに使う機会が多いかと思います。近くにkk線の西銀座ICもあるので、より近いほうを選べるとベストです。
下のリンクでも詳しく説明しています。
汐留IC

汐留ICは、海岸通りの「汐先橋」交差点すぐの位置に設置されています。入口は芝公園や飯倉方面の内回り、出口は逆に芝公園の方面から来る外回りです。銀座や新橋で営業していて、横浜方面や羽田方面の実車になった場合はこの入口の出番です。入口は「汐先橋」から芝浦方面に進んですぐ右側にあるので、築地から新大橋通りで来る場合は第二レーンの左折レーンから進行してください。逆に銀座に実車で高速で向かう場合、名前通りの銀座ICよりはこちらを使うことのほうが多いかと思います。
下のリンクでも説明しています。
飯倉IC

ハーフICの最後は飯倉ICです。赤坂や虎ノ門などを発着する実車で使う機会が比較的多いICです。麻布通り(皇居の方向から六本木通りを進み、「溜池」交差点のさきのふたまたを左に進んだ通り)の「六本木麻布通り」交差点すぐの場所に位置しています。入口は芝公園や1号羽田線方面の内回り、出口は逆に芝公園から来る方向の外回りです。赤坂からこの入口を目指す場合、大通りではなく氷川神社周辺をはじめとした路地を使った行き方も覚えておくとよりスムーズに向かうことができます。
下のリンクでも詳しく紹介しています。
それ以外のC1のIC
残るのは、新富町ICと北の丸ICです。これらは出口しか設置されていません。
新富町IC

新富町ICは、出口だけですが両方向とも設置されているので、神田橋や京橋方面からの外回り、芝公園や銀座方面からの内回りからも使うことができます。本線から出たあと両方の流出路が合流し、新大橋通りと交差するかたちで「入船橋」交差点につながっています。出口を出てそのまま直進するとすぐに佃大橋を渡ることができるため、月島や豊洲方面へ行くのに大変便利です。冒頭でも書いた通り、新富町付近のC1本線は橋脚がいくつかあり、車線変更禁止の区間も多いです。外回りは右車線、内回りは左車線へはやめに移動しておいてください。
北の丸IC

北の丸ICは、神田橋方向から来る内回りの出口のみ設置されています。そのため利用の機会はあまり多くないかもしれません。日本武道館にほど近く、内回りで来るならこの北の丸IC、外回りで霞が関の方向から来るなら代官町ICを利用することになります。代官町通り(千鳥ヶ淵を抜ける通り)へは左折でしか合流できませんが、すぐUターン路が用意されています。
注意として、5号池袋線の上り、池袋方面からはこの出口を利用することはできません。
こちらのリンクでも紹介しています。
さいごに
ここまでお読みいただきありがとうございます。記事の執筆者は2024年現在5年目のドライバーですが、まだまだ首都高、特に都心環状線を使うルートを毎回すぐ思いつけるようになるのは難しいなと感じます。お客様に「いや、このICのほうがいいのでは?」と言われることもあります。安全に走行するために気をつけていることや、意識していることなどあればぜひお聞かせください。この記事がどなたかのお役に立てれば嬉しいです。














